替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
(なんと遠いことか...)
一度でも行った所なら、魔法で行くことが出来るが、そうでない場所にはありきたりな手段で行くしかない。
わしは痛む腰をさすりながら、馬車から降りた。
「すみませんが、王妃マグダナ様にお目通りを。」
「なんだと、王妃様に?」
門番は、わしを訝しげにみつめた。
それも無理からぬこと。
わしのような薄汚い老婆が王妃様に会いたいなんて、そりゃあ不審に思われるだろう。
「ヴァリアン王国から来ました。
以前よりお城にお仕えしているヒルダという者でございます。」
「しばし待たれよ。」
ヴァリアンの名前を出したせいか、門番は取り次ぎに行ってくれた。
しばらくすると、門番が戻って来た。
「王妃様が会われるそうだ。
この者についていけ。」
そこにいた年若い侍女が、わしに小さく頭を下げた。
わしはその侍女に付いて、リゴレットの城の中に足を踏み入れた。
一度でも行った所なら、魔法で行くことが出来るが、そうでない場所にはありきたりな手段で行くしかない。
わしは痛む腰をさすりながら、馬車から降りた。
「すみませんが、王妃マグダナ様にお目通りを。」
「なんだと、王妃様に?」
門番は、わしを訝しげにみつめた。
それも無理からぬこと。
わしのような薄汚い老婆が王妃様に会いたいなんて、そりゃあ不審に思われるだろう。
「ヴァリアン王国から来ました。
以前よりお城にお仕えしているヒルダという者でございます。」
「しばし待たれよ。」
ヴァリアンの名前を出したせいか、門番は取り次ぎに行ってくれた。
しばらくすると、門番が戻って来た。
「王妃様が会われるそうだ。
この者についていけ。」
そこにいた年若い侍女が、わしに小さく頭を下げた。
わしはその侍女に付いて、リゴレットの城の中に足を踏み入れた。