替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
待ちかねた報せ




(一体、何だろう?)



ある日、私は陛下に呼ばれた。
もうじき昼食だというのに、その時まで待てない用って一体何なんだろう?



「シャルアです。」

「おぉ、良く来た。
さぁ、そこに座りなさい。」

陛下の部屋には、王妃様ともうひとり…
そう、確か、ヴァリアンのヒルダさんとかいう魔法使いのおばあさんがいた。



「シャルア…この者は、ヴァリアンの城に務める魔法使い・ヒルダだ。」

「はい、以前、一度、お会いしたことがございます。」

「そうであったか?
実はな、今日、ヒルダは良い知らせを伝えに来てくれたのだ。」

「良い、報せ…ですか?」

陛下は、にっこりと微笑まれた。



「ついに、婚礼が決まったのだ。」

「えっ!」

待ちくたびれる程待ってたけれど、それがついに決まったとなると、妙にびっくりした。



「そ、それで…私はどちらと…」

「それは、当日のお楽しみということだ。」

「えっ!?」

ここまで引き延ばして、さらに当日のお楽しみって…一体、どれだけ引き延ばすんですか!?



「一か月後、この城で婚姻の儀を行う。
これは忙しくなるぞ。
シャルアも、それまでにくれぐれも体調には気を付けておくのだぞ。
良いな?」

「は、はい。」
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