替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
ヒルダは、兄上にすべてを打ち明けた。
そして、フェルナンを養子に迎えるように進言した。



兄上は驚き、悩まれたようだが、ヒルダの強い説得により、渋々それを受け入れられた。



魔法使い達は、ルーサー、マーカスに続き、フェルナンの情報を加え、そして神託を行った。
すると、フェルナンが選ばれたのだ。
今まで、何度やっても降りなかった神託が、いとも容易く下ったのだという。



フェルナンは、私の野望を打ち砕き、リゴレットを救ったのだ。
逆の言い方をすれば、私の罪を償ったのだ。
私の間違いを正したのだ。
私が殺そうとしたあの子が......



「マグダナ様......」

「なんでもない。」



突如込み上げた涙を私は指で拭った。



フェルナンに、私が母親だと告白する日は永遠に来ないだろう。



そう...私が産んだあの子は、あの日に死んだのだ。



フェルナンは、王女の婿に過ぎない。



それで良い......



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