替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「フェルナンさん...」

小さな声で名前を呼んだ。
フェルナンさんはそれに気付いて、頷いてくれた。
ただそれだけのことなのに、嬉しくて...



私、本当にフェルナンさんと結婚したんだっていう実感がじわじわとわいてきて...



「シャルア様!」



私の突然の号泣に、周りの皆がびっくりして......




「シャルア、どうしたのだ?」

「は、はい。い、今頃になって、か、感動が込み上げてきまして...」

私の言葉に、周りの緊張も解けて、小さな笑い声も聞こえた。



「そうか、そうか。」

陛下は私の肩を優しく叩かれた。



お化粧が取れてしまうって気になりながらも、私の涙は止まらない。



なんだかホッとして、嬉しくてびっくりして...
混乱はなかなかおさまることがなかった。
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