替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「サキ、どうしたんだ!?」

「フェルナンさん...」



私は、フェルナンさんの胸に顔を埋め、ひたすら泣いた。
泣いてどうなるわけでもないけど、シャルアさんの言葉があまりにも悲しくて...泣かずにはいられなかった。







「サキ、落ち着いたか?」

「は、はい。」

「何があった?」

「実は......」



思い出すだけでまた泣きそうになるけれど、なんとかそれを押さえて、私は話した。
シャルアさんのことを。



「......そうだったのか。
辛い話だな。
確かに彼女の言うこともわかる。」

「そ、そんな...」

「彼女の体にまわった毒は医師たちにもどうすることが出来ないのだろう?
城の医師はこの世界でも最も優秀な者達だ。その医師達にどうにも出来ないのでは、辛いことだが諦めるしかないのではないか?」



フェルナンさんの言ったその言葉が、なぜだか頭に残った。



横になっても、全く眠れない。
どうすることが、シャルアさんにとって、一番良いことなのか、私はそれを考え続けた。
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