替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
side シャルア
***



「どういうことなのです?
失敗したというのですか?」

「いえ…門は輝きました。
ですから、きっとこちらに来られているのだと思いますが、おそらくはロゼッタ石の不足のせいかと…」

「ロゼッタ石が不足していたから、どうなったというのです?」

「はい、おそらくは、この世界のどこか…
本来、現れるはずではない所に来られているのではないかと思います。」

「なんですって…!?」



大変なことになってしまいました。
もしも学者の推測通りだとしたら、シャキアは、今、どこでどうなっているのやら…
彼女は、私達が呼び出した意味をまだ知らないはずですし、もしも、運悪く悪党にでも捕まっていたら…
嫌な想像に、私の胸は不安で苦しくなりました。



「ロバート…とにかく、すぐに部隊を派遣し、シャキアの捜索にあたらせるのです。
くれぐれも内密に探るのですよ。」

「はい、王女様。」

シャキアの存在を世間に広めることは出来ません。
信頼出来るごくわずかの者たちに頼むしかありません。



(シャキア……どうかご無事で…)



私は、シャキアを想い、神にそっと祈りました。
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