替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
ブラッサの町
*
「わぁ……」
久しぶりに見た大勢の人の波に、思わず声が出てしまった。
その日、まだ夜が明けきらないうちに起き出して、ブラッサの町に向かって出発した。
フェルナンさんは薬屋に薬草を持って行く用事があるらしかったので、私も少し運ぶことにした。
地味な茶色の粗末なワンピースを着て、薬草を背負ってる私を見て、すぐに私だと気付く人はいないだろうな。
お父さんやお母さんだって、きっとすぐにはわからないよ。
なんか切ないけど…でも、仕方ない。
他愛ない会話を交わしながらただただ歩いて…お昼頃にようやくランダスの村に着いた。
そこは本当に田舎の村って感じで、人もまばらでお店もあまり見当たらなかった。
木陰に座って、持って来た固いパンを食べて…
そして、ブラッサの町を目指して、また歩き始めた。
もしも歩数計があったら、きっと1万歩は軽く越えてると思う。
普段、こんなに歩くことはまずない。
近くなら自転車かバス、たまにはタクシー、ちょっと遠ければ、電車だ。
だけど、ここにはそういうものが全くなさそう。
だから、ひたすら歩くしかない。
荷物が多かったり、雨の日は大変だろうなって思う。
私はすでに足が痛い。
そんなこと、フェルナンさんにはとても言えないけど…
「わぁ……」
久しぶりに見た大勢の人の波に、思わず声が出てしまった。
その日、まだ夜が明けきらないうちに起き出して、ブラッサの町に向かって出発した。
フェルナンさんは薬屋に薬草を持って行く用事があるらしかったので、私も少し運ぶことにした。
地味な茶色の粗末なワンピースを着て、薬草を背負ってる私を見て、すぐに私だと気付く人はいないだろうな。
お父さんやお母さんだって、きっとすぐにはわからないよ。
なんか切ないけど…でも、仕方ない。
他愛ない会話を交わしながらただただ歩いて…お昼頃にようやくランダスの村に着いた。
そこは本当に田舎の村って感じで、人もまばらでお店もあまり見当たらなかった。
木陰に座って、持って来た固いパンを食べて…
そして、ブラッサの町を目指して、また歩き始めた。
もしも歩数計があったら、きっと1万歩は軽く越えてると思う。
普段、こんなに歩くことはまずない。
近くなら自転車かバス、たまにはタクシー、ちょっと遠ければ、電車だ。
だけど、ここにはそういうものが全くなさそう。
だから、ひたすら歩くしかない。
荷物が多かったり、雨の日は大変だろうなって思う。
私はすでに足が痛い。
そんなこと、フェルナンさんにはとても言えないけど…