替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
*
「……少し休むか?」
「は、はい。」
ランダスの村を出てからが遠かった。
しばらくするとわりと広い道に出て、行き交う人とも出会うようになった。
皆、それなりに重そうな荷物を持っていたり、荷車を引いてたり…
子供でさえも、文句を言わずに歩いてる。えらいな。
途中で、馬車が追い越して行くのを見た。
でも、フェルナンさんが乗らないってことは、馬車は運賃が高いのかもしれない。
(頑張らなきゃ…!)
足だけじゃなく、腰まで痛くなって来て、思わず音をあげそうになった時、ようやくフェルナンさんが休もうかって言ってくれた。
出来れば、冷たい飲み物とちょっとしたスイーツでも食べたいところだけど、そんなものがここにあるはずがない。
ただ、道端に座るだけだけど、それだけでも疲れた体にはありがたかった。
「だいぶ疲れたみたいだな。」
「え…は、はぁ…」
嘘でも「疲れてない。」とは言えなかった。
「え?」
フェルナンさんが差し出したのは、水筒みたいなものだった。
もちろん、中身は山の湧き水だ。
「あ、ありがとうございます。」
もう温くはなってたけれど、疲れた体には染み渡った。
水筒を返すと、躊躇いもせずフェルナンさんがそれを飲む。
なんだかちょっとドキッとした。
「さぁ、もう少しだ。頑張ろう!」
「は、はいっ!」
結局、ブラッサの町に着いたのは、それから一時間以上歩いてからだった。
「……少し休むか?」
「は、はい。」
ランダスの村を出てからが遠かった。
しばらくするとわりと広い道に出て、行き交う人とも出会うようになった。
皆、それなりに重そうな荷物を持っていたり、荷車を引いてたり…
子供でさえも、文句を言わずに歩いてる。えらいな。
途中で、馬車が追い越して行くのを見た。
でも、フェルナンさんが乗らないってことは、馬車は運賃が高いのかもしれない。
(頑張らなきゃ…!)
足だけじゃなく、腰まで痛くなって来て、思わず音をあげそうになった時、ようやくフェルナンさんが休もうかって言ってくれた。
出来れば、冷たい飲み物とちょっとしたスイーツでも食べたいところだけど、そんなものがここにあるはずがない。
ただ、道端に座るだけだけど、それだけでも疲れた体にはありがたかった。
「だいぶ疲れたみたいだな。」
「え…は、はぁ…」
嘘でも「疲れてない。」とは言えなかった。
「え?」
フェルナンさんが差し出したのは、水筒みたいなものだった。
もちろん、中身は山の湧き水だ。
「あ、ありがとうございます。」
もう温くはなってたけれど、疲れた体には染み渡った。
水筒を返すと、躊躇いもせずフェルナンさんがそれを飲む。
なんだかちょっとドキッとした。
「さぁ、もう少しだ。頑張ろう!」
「は、はいっ!」
結局、ブラッサの町に着いたのは、それから一時間以上歩いてからだった。