替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
*
「内山さん…これ……」
不意に聞こえた囁くような声に、私は顔を上げた。
「小林さん……」
あと10分で退社時間という時…小林さんが私の傍に来て、小さな紙袋を押し付けた。
私は、それをさっと机の下に仕舞った。
なぜだかわからないけど、隠さなければ…!と思ったから。
多分、ホワイトデーのお返しだろう。
でも、どうしてこんなにこっそり…?
まるで、小林さんと秘密を共有したかのような雰囲気を感じながら、私の胸はときめく。
だけど、私は素知らぬ顔をして、パソコンに向かっていた。
私の目は、ディスプレイの何も見てなかったけど…
やがて、退社時間を知らせるチャイムが鳴り…
「この前はチョコをありがとう!」
大きな紙袋を持った小林さんが、女子社員の元に何かを配って歩く。
「内山さん、チョコ、どうもありがとう!」
「えっ?は、はい。いえ…その…」
小林さんは、私の所にも来て、小さな包みを手渡してくれた。
あれ?これがホワイトデーのお返し?
それじゃあ、さっきのは…?
疑問を抱えつつ、私は帰る支度に取り掛かった。
カーディガンに包むようにして、私は紙袋をロッカールームに運んだ。
「内山さん…これ……」
不意に聞こえた囁くような声に、私は顔を上げた。
「小林さん……」
あと10分で退社時間という時…小林さんが私の傍に来て、小さな紙袋を押し付けた。
私は、それをさっと机の下に仕舞った。
なぜだかわからないけど、隠さなければ…!と思ったから。
多分、ホワイトデーのお返しだろう。
でも、どうしてこんなにこっそり…?
まるで、小林さんと秘密を共有したかのような雰囲気を感じながら、私の胸はときめく。
だけど、私は素知らぬ顔をして、パソコンに向かっていた。
私の目は、ディスプレイの何も見てなかったけど…
やがて、退社時間を知らせるチャイムが鳴り…
「この前はチョコをありがとう!」
大きな紙袋を持った小林さんが、女子社員の元に何かを配って歩く。
「内山さん、チョコ、どうもありがとう!」
「えっ?は、はい。いえ…その…」
小林さんは、私の所にも来て、小さな包みを手渡してくれた。
あれ?これがホワイトデーのお返し?
それじゃあ、さっきのは…?
疑問を抱えつつ、私は帰る支度に取り掛かった。
カーディガンに包むようにして、私は紙袋をロッカールームに運んだ。