替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
*
「ここでしばらくじっとしてろ。」
私達は、地下牢に連れて行かれた。
暗くて空気がじっとりとしていて、黴のようなにおいがする。
牢の中には、すでに人がいた。
「やぁ、新入りさん。」
薄暗くて顔は良く見えなかったけれど、声の雰囲気ではまだ若い男性のようだった。
「君は、どうしてこんな所に?」
「その前に、名前くらい言わせてくれよ。
俺は、マリウスだ。」
「そうか、私はフェルナン…
そして、こっちは妹のサキだ。」
(妹……?)
「は、初めまして。サキです。」
なぜ、フェルナンさんがそんなことを言ったのかはわからなかったけど、とりあえず、私も話を合わせておこうと思った。
「兄妹で捕まるとは、あんたらも相当なドジだな。
どこから来たんだ?
ガザンは初めてなのか?」
「あぁ…
ガザンの治安が悪いことは聞いてたが、まさかこんな目に遭うとは思わなかった。」
「ガザンで、深夜、出歩くなんて、まともな人間のすることじゃない。」
「確かにそのようだな。」
そう言って、フェルナンさんは失笑した。
「ここでしばらくじっとしてろ。」
私達は、地下牢に連れて行かれた。
暗くて空気がじっとりとしていて、黴のようなにおいがする。
牢の中には、すでに人がいた。
「やぁ、新入りさん。」
薄暗くて顔は良く見えなかったけれど、声の雰囲気ではまだ若い男性のようだった。
「君は、どうしてこんな所に?」
「その前に、名前くらい言わせてくれよ。
俺は、マリウスだ。」
「そうか、私はフェルナン…
そして、こっちは妹のサキだ。」
(妹……?)
「は、初めまして。サキです。」
なぜ、フェルナンさんがそんなことを言ったのかはわからなかったけど、とりあえず、私も話を合わせておこうと思った。
「兄妹で捕まるとは、あんたらも相当なドジだな。
どこから来たんだ?
ガザンは初めてなのか?」
「あぁ…
ガザンの治安が悪いことは聞いてたが、まさかこんな目に遭うとは思わなかった。」
「ガザンで、深夜、出歩くなんて、まともな人間のすることじゃない。」
「確かにそのようだな。」
そう言って、フェルナンさんは失笑した。