替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
紙袋のことが気になって仕方がない。
帰宅するまで我慢することは出来なさそうで…
私は、会社の近くのコーヒーショップに立ち寄った。
大通りから一筋奥まった場所にあるせいか、いつも人が少なくてけっこう落ち着ける店だ。



一番奥の席に座り、私は、紙袋の中を確認した。
中には二つの包みが入っていた。
一つは有名なケーキ屋さんの包み。
開いてみると、美味しそうなクッキーが入ってた。
もう一つは細長い包み…
この形状は…でも、まさか…



「あっ…!」



それは想像通り、ネックレスだった。
ピンクの小さな石がついてて、キラキラ輝いている。



(小林さん、どうしてこんなものを…?)



まさか、まさか、まさか…
恥ずかしい想像にどんどん顔が熱くなる。
私は、クールダウンするために、アイスコーヒーをぐびぐびと飲み干した。



(あ……)

ネックレスの下に小さな紙きれがあるのをみつけた。



『先日はバレンタインのチョコレートをどうもありがとう。
とても嬉しかったです。
もしかしたら、僕のこと、少しは興味持ってくれてるのかな?なんて勘違いをして、こんなものを買ってしまいました。
もしも、それが僕の勘違いじゃなかったら、このネックレスを付けて下さい。
ただの勘違いなら、処分して下さいね。』



(マ、マジ…!?)



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