替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「実は、私はジャミナより南には行ったことがないんだ。
ガザンの先にどんな国があるのかさえ、良くは知らない。」

「そうか、じゃあ、俺に任せとけ。
俺は、あちこちを旅したから、けっこういろんなところを知ってるぜ。」

「なぜ、そんなに旅をしてたんだ?」

マリウスさんは、にやっと笑った。



「俺は、探してるものがあるんだ。
そのためにあちこちを旅して来た。」

「探し物…?一体、何なんだ?」

「それは内緒だ。
だけど…多分、ここからそう遠くない所にあるんじゃないかって思ってる。」



マリウスさんの探し物って、一体、何なんだろう?
そういえば、ガザンのお城にもお宝を探しに来たみたいなことを言ってたし、何か特別なお宝を探してるのかな?



そんなことを考えてる間に、私達は町の傍に来ていた。
そこは、ガザンの中では比較的治安の良い場所らしく、商店や宿屋等もあるとのこと。



ようやく、何か食べられると思ったら、大きな音がお腹から響いた。
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