替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
信じられなくて、何度もそのメモを読んだ。



これって…小林さんも私に興味を持ってくれてるってことだよね。
つまり、つまり……私に好意を感じくれてるってこと…だよね?



ってことは、もしかして……両想い……!?



(きゃあーーー!)



顔が火を噴きそうになって、私は思わず両手で顔を覆った。
嬉しくてたまらない。
大好きな小林さんが、私に好意を持ってくれてたなんて…



今までにも人並みに恋はして来たけれど、小林さんは今までの人とはちょっと違う。
小林さんのことを想うと、なんだか中学生の時に戻ったみたいな、すごくピュアな気分に戻ってしまう。



なんでかな?
そもそも前に別れた彼があまりに酷すぎて男性嫌悪になってたはずなのに、なんで小林さんのことを好きになったのかな?



(ま、いっか…)



不意に手に持ったグラスには、もうコーヒーは残っていない。



(もう一杯……いや、もう帰ろう。)



私は、最高に良い気分で立ち上がった。



(あ……)



そういえば、今朝、お母さんが言ってたな。
私の星座、占いで一位だって。



(たまには当たることもあるんだ…)



そんなことさえも、なんだか楽しくなってくる…
私は、大切な紙袋をしっかりと手に持って、コーヒーショップを後にした。
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