替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「とにかく、しっかり食べなさい。」

「え?だって、お母さんが…」

「お母さんのことは心配ない。」



おかしいよ。
私が見たことないってことは、多分、お父さんだって見たことないはず。
なのに、お母さんを放っておくようなことを言うなんて…



(あ……お父さんは、お母さんが泣いてる理由を知ってる…?)



「どうしたの?ねぇ、一体、なにがあったの?」

「いいから、早く食べなさい!」

お父さんは普段は言わないような、きつい口調でそう言った。



私は無理にごはんを口に運んだ。
とにかく、今はお父さんの言う通りにして…
お母さんの泣く理由を聞くのはそれからだ。



ずっと泣き続けているお母さんが心配で、味なんてよくわからなかったけど、とにかく私はごはんを食べ続けた。


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