替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




「あぁ、間違いない!
これは、正真正銘、ガザン王の剣だよ。」



次の日、私達は再びタリムさんの家を訪れた。



「本当に?」

「あぁ、間違いない。
しかし、嬉しいね。
ガザン王家の血がまだ絶えてなかったとは…」

そう言って、タリムさんはマリウスさんをみつめた。
その眼差しはとても優しいものだった。



「タリムさん…俺…ガザンを再興したいと考えています。」

「なんだって!?ガザンを…!?」

驚くタリムさんに、マリウスさんは力強く頷いた。



「それが、俺のすべきことじゃないかって…そんな風に思ったんです。」

「それは素晴らしい決意だよ。
あんたのその気持ちが本当だったら、私達ももちろん協力するよ。」



そっか…!
この世界には、魔法使いがいるんだった。
魔法使いが手伝ってくれたら、マジで国の再興も出来るかもしれない!



「本当ですか!?」

「あぁ、本当だ。
だけど、すぐってわけにはいかない。
あんたが本気だってことがわかるまで、私達は手出しはしない。
だけど、それがわかったら、何でも協力しよう。」

「あ…ありがとうございます!」



なんだか、急に未来が開けたような気がした。
本当に大変なことだけど、マリウスさんならきっとやり遂げられるだろうと思った。
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