命の手紙
絶望と希望の連鎖
雨が強く降りそそぎ、俺の体も心も冷やしていく。

灰色の空はまるで今の俺みたいで、死ぬのにぴったりな天気だな、とこんな時なのに嗤ってしまった。

学校の近くの廃ビルの屋上。死ぬ場所を探してここにたどり着いた日、ここで見た夕焼けは驚くほど綺麗だった。

「……死ぬか」

地面に叩きつけられたらどれほど痛いのだろうか、と考えながら柵に手をかけたその時、「こら!何をしている!」と男の声がした。

やべっ、人がいたのか……。そう思い振り向くと、そこにいたのは男ではなかった。
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