命の手紙
「それ、本当なの?」

「ああ。……フィクションなんて夢の世界にすぎない。正直、読む価値がない」

「で、でもっ!おもしろい本はいっぱいあるよ!例えば……ミステリーとか」

そして、ベラベラとミステリー小説の話を灰原はし始めた。

「ーーーその時、ホームズはね……」

「私はあの作品だったら、このシーンが好きだな」

「このミステリー小説は映画にもなってて……」

最初は黙って聞いていたが、正直うっとうしくなってきた。文句を言うため、俺は口を開く。

「おい!さっきから本当にうっとうしいーーー」

言葉が止まる。どうすればいいのか、わからなくなり頭が真っ白になっていった。
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