大天使に聖なる口づけを
6
感謝祭最終日は、目に痛いほどの晴天に恵まれた。
初日にも負けないくらいの多くの人々が城の中庭に押しかけ、今度はそれを上から見下ろす立場になったエミリアは、朝から感嘆のため息が止まらなかった。
中庭を埋め尽くし、城壁の外まで広がり、町の中央広場まで続く人人人。
これらの人々を自分の大声一つで止めなければならないのかと思うと、その発想の異常さ以上に、自分たちがやろうとしていることはあまりにも無茶に思えてくる。
実際、フェルナンド王子から計画を打ち明けられたランドルフは、
「はい。そうですか……」
と承りながらも、どこか納得できていないふうだった。
「本当に大丈夫かな……?」
呟くエミリアは王子に肩を叩かれ、
「大丈夫だよ」
軽く目配せされた。
初日にも負けないくらいの多くの人々が城の中庭に押しかけ、今度はそれを上から見下ろす立場になったエミリアは、朝から感嘆のため息が止まらなかった。
中庭を埋め尽くし、城壁の外まで広がり、町の中央広場まで続く人人人。
これらの人々を自分の大声一つで止めなければならないのかと思うと、その発想の異常さ以上に、自分たちがやろうとしていることはあまりにも無茶に思えてくる。
実際、フェルナンド王子から計画を打ち明けられたランドルフは、
「はい。そうですか……」
と承りながらも、どこか納得できていないふうだった。
「本当に大丈夫かな……?」
呟くエミリアは王子に肩を叩かれ、
「大丈夫だよ」
軽く目配せされた。