大天使に聖なる口づけを
もう一度
「そんなことないよ」
と言い返そうとしたが言葉にならない。
フィオナは神秘的な光を放つ瞳を和ませて、いつになく優しく微笑んだ。
「エミリアのいいところはね……嘘がつけないところよ」
今まで自分の中で渦巻いていた様々な感情に、確固たる答えを与えられたような気がして、エミリアは足がガクガク震えるのを感じた。
試合はいつの間にかアウレディオのほうが優勢になっていて、今度はアルフレッドのことを応援したい気持ちにも駆られたが、エミリアの耳には、不思議と何の音も聞こえなくなった。
(まずいなあ……そういえば昨日、あんまりよく寝てないんだった……)
ぼんやりとそう思ったのと、実際に体の力が抜けてエミリアがその場に崩れ落ちたのは、ほとんど同時だった。
地面に倒れこむ寸前に誰かが走りこんで来てくれて、頭を地面に打ちつけるのだけは免れる。
薄れていく意識の中で、エミリアはそれをアウレディオだと思った。
ようやく傍に来てくれたので、いなくなってしまわないように首に抱きついて、
「ねえディオ……何か私のこと怒ってる?」
朝からずっと気になっていたことを尋ねてみる。
栗色の頭に頬を寄せるようにして、
「いいや。怒ってないよ」
返事してくれた声は、確かにアウレディオのものだったので、エミリアはやっと心から安心した。
「よかった」
途切れていく意識の中、アウレディオの腕がますます強く自分を抱きしめたような気がした。
「そんなことないよ」
と言い返そうとしたが言葉にならない。
フィオナは神秘的な光を放つ瞳を和ませて、いつになく優しく微笑んだ。
「エミリアのいいところはね……嘘がつけないところよ」
今まで自分の中で渦巻いていた様々な感情に、確固たる答えを与えられたような気がして、エミリアは足がガクガク震えるのを感じた。
試合はいつの間にかアウレディオのほうが優勢になっていて、今度はアルフレッドのことを応援したい気持ちにも駆られたが、エミリアの耳には、不思議と何の音も聞こえなくなった。
(まずいなあ……そういえば昨日、あんまりよく寝てないんだった……)
ぼんやりとそう思ったのと、実際に体の力が抜けてエミリアがその場に崩れ落ちたのは、ほとんど同時だった。
地面に倒れこむ寸前に誰かが走りこんで来てくれて、頭を地面に打ちつけるのだけは免れる。
薄れていく意識の中で、エミリアはそれをアウレディオだと思った。
ようやく傍に来てくれたので、いなくなってしまわないように首に抱きついて、
「ねえディオ……何か私のこと怒ってる?」
朝からずっと気になっていたことを尋ねてみる。
栗色の頭に頬を寄せるようにして、
「いいや。怒ってないよ」
返事してくれた声は、確かにアウレディオのものだったので、エミリアはやっと心から安心した。
「よかった」
途切れていく意識の中、アウレディオの腕がますます強く自分を抱きしめたような気がした。