大天使に聖なる口づけを
実はフィオナに言われたのと同じようなことを、エミリアは昨日の時点ですでに、アウレディオからも言われていた。
母の仕事のとんでもない内容を知り、内心はかなりの葛藤を感じたエミリアだったが、自分から手伝うと言った手前、結局後には引けず、母の言うところの『聖なる乙女』をやるしかなくなってしまった。
(でもこれが成功したら、お母さんとこれからもずっと一緒に暮らせるんだから……!)
物事をなるべく良いように解釈しようとするのは、エミリアの良いところである。
「俺も手伝う」と手を上げて、母にとびきりの笑顔を貰ったアウレディオと一緒に、翌日から早速ミカエルを捜すことになった。
結論が出て、今日のところはひとまず家に帰るとなった時、アウレディオはなぜかエミリアの部屋に立ち寄り、後ろ手に扉を閉めると同時に、さっと片手をさし出した。
「出して」
「…………え?」
呆気にとられるエミリアに向かって、アウレディオはビシッと机の引き出しを指差す。
「あそこにしまってあるものだよ。手紙……いやひょっとしたら……似顔絵かな?」
「えええええっ?」
母の仕事のとんでもない内容を知り、内心はかなりの葛藤を感じたエミリアだったが、自分から手伝うと言った手前、結局後には引けず、母の言うところの『聖なる乙女』をやるしかなくなってしまった。
(でもこれが成功したら、お母さんとこれからもずっと一緒に暮らせるんだから……!)
物事をなるべく良いように解釈しようとするのは、エミリアの良いところである。
「俺も手伝う」と手を上げて、母にとびきりの笑顔を貰ったアウレディオと一緒に、翌日から早速ミカエルを捜すことになった。
結論が出て、今日のところはひとまず家に帰るとなった時、アウレディオはなぜかエミリアの部屋に立ち寄り、後ろ手に扉を閉めると同時に、さっと片手をさし出した。
「出して」
「…………え?」
呆気にとられるエミリアに向かって、アウレディオはビシッと机の引き出しを指差す。
「あそこにしまってあるものだよ。手紙……いやひょっとしたら……似顔絵かな?」
「えええええっ?」