大天使に聖なる口づけを
「でもさっきのランドルフもそうだったけど、エミリアのお菓子を食べた人は、みんなとっても幸せそうなオーラに包まれるのよ。あの色、女の子はともかく、男だったら恋愛感情に発展するんじゃないかって踏んだんだけど……本当に今までそんなことなかった?」
「だって、それならフィオナだって知ってるはずじゃない。学校の頃からいつも、私がお菓子を作った時には、絶対に一番に食べてたんだから」
「そうだけど……いつも女の子と食べてばかりで、私、エミリアが男の子にお菓子をあげているところは、見たことないもの」
「だってそれは……」
何気なく言いかけて、エミリアは口を噤んだ。
(ディオが男の子には食べさせるなって言ったから……)
心の中だけで続きを呟き、その奇妙さにふと不安を感じる。
(なんでダメだって言われたんだっけ?)
その時の状況も、アウレディオがどんな口調だったのかも、思い出そうとしても全然思い出せない。
突然言葉を切ったエミリアを訝しんで、
「どうしたの?」
とフィオナがまた顔を近づけてきた。
「だって、それならフィオナだって知ってるはずじゃない。学校の頃からいつも、私がお菓子を作った時には、絶対に一番に食べてたんだから」
「そうだけど……いつも女の子と食べてばかりで、私、エミリアが男の子にお菓子をあげているところは、見たことないもの」
「だってそれは……」
何気なく言いかけて、エミリアは口を噤んだ。
(ディオが男の子には食べさせるなって言ったから……)
心の中だけで続きを呟き、その奇妙さにふと不安を感じる。
(なんでダメだって言われたんだっけ?)
その時の状況も、アウレディオがどんな口調だったのかも、思い出そうとしても全然思い出せない。
突然言葉を切ったエミリアを訝しんで、
「どうしたの?」
とフィオナがまた顔を近づけてきた。