大天使に聖なる口づけを
5
さっきと同じように玄関で出迎えてくれた母は、エミリアの顔を一目見るなり、
「うん。どうやら仲直りできたみたいね」
とにっこり微笑んだ。
(子供みたいって思う時もあるけど、やっぱりお母さんにはかなわないわ……)
エミリアは今度こそ心からの笑顔を母に向け、夕食のテーブルに着いた。
ピンと張られた赤白の格子縞のテーブルクロスの上には 母が腕によりをかけた、飛びきりのご馳走が並んでいる。
肉や芋や玉葱のパイ。
種入りのケーキ。
ソースのかかった燻製肉。
鶏のシチュー。
チーズ。
さっそく目の前にある焼きたてのパンに手を伸ばしたエミリアは、
「それで……ミカエル捜しのほうはどう? 何か進展はあった?」
という母の言葉に、うきうきとしていた気分も食欲もいっきに失せ、何と答えていいのかわからずに俯いた。
「エミリアの好きな相手とだったら、とりあえず接点を作った」
シチューを口に運びながらこともなげに答えるアウレディオに、母は瞳を輝かせる。
「さっすがアウレディオ! 仕事がはやーい!」
エミリアはパンが喉に詰まってしまいそうなくらいに咳きこんだ。
「な、何言ってんのよディオ!」
しかし母は、そんな娘の様子にはおかまいなしだ。
「うん。どうやら仲直りできたみたいね」
とにっこり微笑んだ。
(子供みたいって思う時もあるけど、やっぱりお母さんにはかなわないわ……)
エミリアは今度こそ心からの笑顔を母に向け、夕食のテーブルに着いた。
ピンと張られた赤白の格子縞のテーブルクロスの上には 母が腕によりをかけた、飛びきりのご馳走が並んでいる。
肉や芋や玉葱のパイ。
種入りのケーキ。
ソースのかかった燻製肉。
鶏のシチュー。
チーズ。
さっそく目の前にある焼きたてのパンに手を伸ばしたエミリアは、
「それで……ミカエル捜しのほうはどう? 何か進展はあった?」
という母の言葉に、うきうきとしていた気分も食欲もいっきに失せ、何と答えていいのかわからずに俯いた。
「エミリアの好きな相手とだったら、とりあえず接点を作った」
シチューを口に運びながらこともなげに答えるアウレディオに、母は瞳を輝かせる。
「さっすがアウレディオ! 仕事がはやーい!」
エミリアはパンが喉に詰まってしまいそうなくらいに咳きこんだ。
「な、何言ってんのよディオ!」
しかし母は、そんな娘の様子にはおかまいなしだ。