You are not alone.
人工芝グラウンド
人工芝グラウンド。部活動で利用される本格的なグラウンドだ。今は人が殆どいなくて草原のような景色が広がっている。
そんな場所に一人、存在感が際立つ人物がいた。一定のリズムでボールを蹴り上げる姿はとても楽しそうで、ボールが地面に落ちる気配は微塵も感じられない。彼とサッカーボール、二人の世界が出来上がる。
友利は夕斗が空気を読まないで乱入するのかと思ったが、その予想は外れた。
「アイツは二年生の秀才君だ。そんで、サッカー部のエース様。凄いだろ?」
「うん! 私あんなにリフティング出来ないよ!」
「そこかい」
いや、メインはそこではないのだけど……あの姿を見て真っ先に思い浮かんでしまったのだ。