You are not alone.
図書館
「流石に中学生レベルは出来るんだな」
「先生は私を何だと思っているんですか。これでも入試で合格して入学しているんですからね」
あの成績を見ればそれが信じられないというものだ。新入生英語テストのときは調子が悪かったのだろうか。
「っし、全問正解。あとはリスニングと発音だが――途端に嫌そうな顔するな」
苦手分野はこっちか。
筆記はそこそこでも「聴く」と「話す」が苦手な友利。その二つが出来ていれば、ネイティヴの先生とだって話す勇気が持てた筈だ。
「苦手から逃げていたら、勝利は掴めないぞ」
「分かってますよ……でもいきなりハードル上げすぎ」
――どこがだよ、留学じゃあるまいし……。
困ったものだと夕斗は見渡すと、「あっ……」と声を漏らし、突然友利から離れてどこかに行った。