You are not alone.



 ――あなたは一歩を踏み出すべき。



「だってさ。どうだ? 昼休みは残り15分、もう一度8号館に戻らないか?」


「え……」


「ほんの少しの時間だが、英語を喋ってみないか? 昼休みは8号館に、一人の明るい留学生がいる。そいつはいつも話し相手を探しているんだ」


「…………」





 ……不安が消えたと言えば嘘になる。



 でもこのままでいいはずがない。



 語学を学びたいという気持ちに嘘はない。










「神田外語大学は、語学を学びたいと思ってくれている生徒の可能性を信じているよ」










 教師が生徒を信じてくれているのなら、生徒はそれに応えたい。

 差し伸べられた手を友利は手に取った。









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