あの夏に見たあの町で





またあの夢を見た





毎度のことながら木から降りる時に男の子に抱きついていると、ガクンと揺れ、落ちる




しかし、いつもなら目が覚める所で目は覚めず、夢は続く






木から落ちたにも関わらず、男の子にしがみついていたおかげでかすり傷程度


体を起こすと、私の下敷きになっていた男の子が「ごめんあーちゃん、踏み外しちゃった」と苦笑する



そして気付く



男の子の右腕から大量の血が出ていることに







驚きで、そこで目が覚めた







昨晩、風呂上がりにベッドにもたれて床に座り、ぼーっと頭の中を整理しているうちに寝てしまったらしい




一晩を床で過ごした全身が痛む




ベッドに移り寝直して午後から出勤もできるけど、せっかく目が覚めたから早めに仕事を終わらせて早く帰ってこようと決めて支度を始めた









会社に着いたのは8時30分



エレベーターを降りて、フロアに足を踏み入れる




さすがに人は疎ら...自分のデスクがある島を見て反射的に足が止まった





私達のチームは4人だけど、デスクは5つ並べられていて私の隣が空いている







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