あの夏に見たあの町で



奨学金制度を使って大学に通った俺は社会人になって、その返済と物価が高い都会で毎日を生きるのために仕事に必死だった




そんな時に学生時代の友人の紹介で出会った




高山ありす



ああ、この子が朔が言ってた可愛い女の子か




すぐに分かった




栗色の髪に白く透き通る肌、エメラルドの瞳



朔が言ってた通りだ



実際に会ってみたら、純粋に心惹かれた



俺も欲しいと思った






付き合い始めてからもありすから朔の話は聞いたことがなかった



ありすが4歳の時だから覚えてないのかもしれない






社会人6年目には、生活にも余裕が出ててそれなりに貯えもできていた




秋の初めに俺はありすにプロポーズをした



ありすは涙を流して笑ってた




この子は俺だけを見てくれる




心の底から幸せだと感じた





一年後に結婚式の予約をして、一緒に住む家で2人で準備もしていた




ウェディングドレスの試着で恥ずかしそうに笑いながら一番着たいドレスを選んで楽しみにしていたのに








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