あの夏に見たあの町で



本当にバチが当たったのは俺だった




車を走らせて5分くらいの車の通りが多い交差点で青信号を直進していたのにも関わらず...



一瞬で目の前が真っ暗になった






生まれてから6歳までずっと一緒に過ごしたたった1人の弟に



腕の治療のためとは言え、祖父母に引き取られ寂しい思いをしたであろう弟に



平坦ではない辛い道を歩んだだろう弟に





嫉妬して...



狂ってた...





周りの車が急ブレーキで停止したり、クラクションが鳴り響くのにも気付かないくらいに自分を失っていた





でも



ありすのことは本当に愛してたんだ




俺が幸せにするって誓ったのに...



泣かせることしかできないなんて...







ねぇありす




俺なんかのためにたくさん涙を流してくれてありがとう




でももう俺じゃなくて、ありすのことをちゃんと幸せにできるやつがいるんだ




ありすの幸せを願うやつがいるんだ





俺は世界から消えてしまったけど、そいつは今は違う時間を過ごしてるけど





きっとありすのことを幸せにしてくれる






だから









幸せになれよ








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