あの夏に見たあの町で
今日も国内組からの出張土産のお菓子をデスクの端に置いて、摘みながら仕事を進める
西欧エリアはホテル数の割にチームの人員が少なく、仕事量が多いので毎日必死
新が亡くなってから3年間
仕事をしている時だけは感傷に浸る間もなく集中できる
「おはようございます」
黙々と仕事をこなしていると出勤してきた三上くんの挨拶で既に昼を過ぎているのだと気付く
座ったまま伸びをしながら三上くんに「おはよう」と返す
腕時計を見ると13時を回ったところ
15時から専務の就任式ということは14時半くらいから会場に移動か...
キリがいい所まで仕事を片付けて、引継ぎ事項を三上くんとその後すぐに来た木根さんに伝達して、13時40分頃に休憩に入った
オフィスビルの1階に入っているカフェで軽めのお昼ご飯を食べながら休憩して、14時半頃に戻ればそのまま移動かなぁなんて考えながらエレベーターに乗り込む
1階に着いたエレベーターを降りる時に、遅くなったお昼にエネルギーを欲する体に食べるものを考えながら地面しか見ていなかったせいで、待っていた人に肩がぶつかってしまった