あの夏に見たあの町で


俺が話す各地の現場でのことを興味深げに聞き、時には質問も入れ吸収していた



俺の話が彼女の今後の仕事へ何かしら影響及ぼすと思うと嬉しかった





楽しくランチをして終わりたかったけど、『視察』と言ってしまった以上“ここまでで改善点は?”と一応確認をする




ありすから挙げられたものは、俺が感じたものと同じだった




見る目もあるらしい彼女により一層惹かれる





細かいところまで挙げたらキリがないこの『気が利かない』現場には仁科さんに来てもらうのが早いか...




まだ専務になってから挨拶もしてないし、近々連絡してみようと心に決める








会計時にカードで支払うと署名があるので名前もバレる



それを見て固まった、会計担当の社員に窓側の女性にクッションと膝掛けをお出しするよう指示を残し、その場を離れる





専務とバレたから、もう恋人のフリは必要ないけれど



“行こう”とありすに手を差し出す









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