あの夏に見たあの町で
あまりに突然過ぎて、動くこともできず
ただただ濡れていくお互いの顔を見合わせる
あっという間に全身びしょ濡れで、為す術もなく、笑った
雨の勢いが収まり、雲間から日が差し込むと眼下に広がる町にかかる大きな虹が掛かった
それを見て、あの時みたいに
“うわぁキレイ”
と目を輝かすありすは、全身びしょ濡れなのにとても綺麗だと思った
願わくば
彼女のこの先の人生が、彩やかに光り輝くもので満たされることを