幼なじみとナイショの恋。
箱の中身が溢れるように、ポロポロポロポロ。
涙の粒が、握りしめた手の上に落ちていく。
「古賀さん……っ。私……ふぇ……」
「……あんたって、本当バカ」
本当は、ずっと誰かに聞いて欲しかった。
はるくんのことが好きで、好きで好きで好きで。
この想いをいつか消さなきゃならないことが、どうしようもなく苦しいって。
悲しいって────。
嗚咽が漏れて、言葉にならない。
何から伝えていいのかわからない。
そんな私の下手くそな話を聞きながら、古賀さんはずっと私の頭を撫で続けてくれた。
優しく、ずっと───。
全て話終えた頃には、とっくにお昼休みが終わり5時間目に突入していた。
「古賀さんまでさぼらせちゃって……ごめんね」
「別に。私はよくあることだし。あんたのがヤバイでしょ優等生」
「あはは。そうかも。だけど、いいの。ありがとう古賀さん。何だかすごくスッキリした!これで、しばらくははるくんの告白ラッシュに耐えられそうだよ!」
立ち上がり、古賀さんの前で力こぶを作ってみせる私。
今度は強がりなんかじゃない。
古賀さんに向ける笑顔も、今は自然に零れたもの。
本当にスッキリした。