幼なじみとナイショの恋。
「結衣……。甘えても、い?」
私の頭をなでていたはるくんの手に力がこもる。
するとはるくんは自分の口元に私の頭を引き寄せて、小さく耳打ちをした。
「……やっぱり、もうちょっといてよ」
こんなふうに、はるくんが甘えられるも、
私だけならいいのにな……。
ずっとずっと、私だけなら────。
*
「ど、どうかな?」
パクリと一口、お粥を口に運ぶはるくんを私は固唾を飲んで見守っていた。
お粥はさっきはるくんが寝ている間に、はるくんちのキッチンを借りて作っておいたものだ。
「うまい」
「本当!?」
心の中で思わずガッツポーズ。
もしかしたらお世辞かな?と少し不安になったけれど、あっという間に平らげそうな勢いで食べるはるくんを見て、ホッと胸を撫でおろした。
相変わらず熱は高いみたいだけど、食欲はあるみたい。
よかった……。
「ごちそうさま」
「おそまつさまでした」
お粥を食べ終わったはるくんは、私が買ってきた薬を飲んで、またベッドへと横たわった。
「食ったらまた眠くなってきた……」
「薬も飲んだし、寝ちゃってもいいよ?」
「せっかく結衣がいるのにもったいない」
「ふふ。何それ。私はいつでもはるくんの側にいるよ」