幼なじみとナイショの恋。

クスクスと笑っていると、はるくんがじっと私を見つめていることに気づく。



私、何か変なこと言ったかな?


それから、パタパタと手招きされる。



「どうしたの?」



首を傾げながら近寄って行くと。



「……っ」



はるくんに手を取られ、ギュッと握られてしまった。



「は、はるくん……あのっ」


「この方がよく寝られそう。……ダメ?」



上目遣いでそう言うはるくんに、心臓が撃ち抜かれるのがわかった。



うわぁうわぁ!


甘えんぼはるくんだ!



いつもよりどこか色っぽいはるくんの瞳は、ものすごく心臓に悪い。


こんなはるくんの姿を他の子が見たら、今よりさらに人気が出ちゃうこと間違いなしだ。




「ダメじゃ……ないよ」



そう言うと、はるくんの熱い手にまた力がこもって、はるくんは安心したように目を閉じた。




全神経が、はるくんに握られている手に集中しているみたい。


ドキドキして落ち着かない。


どうしよう。


手のひらが汗ばんできちゃった……。



はるくんは相変わらず苦しそうに肩で息をしている。


眠ったかと思えば、寝苦しそうに眉間に皺を寄せ、目を開けて私がいるのを確認する。


熱のせいで眠りが浅いみたいだ。



大丈夫かな?


こんなに熱が高いんだもん。


苦しいよね。
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