幼なじみとナイショの恋。

いつも私のことを守ってくれるはるくん。


頼りがいがあって、何事にも動じないはるくん。


そんなはるくんが、今日はすごくすごく弱々しい。


甘えんぼで可愛いはるくんもいいけど、やっぱり普段の元気なはるくんがいいな。


苦しそうなはるくんは、見てられないよ……。



「代わってあげられたらいいのにな……」



はるくんの手がピクッと動く。



「はるくんの風邪が、全部私にうつっちゃえばいいのに……。私が、貰えればいいのに」



はるくんに早く元気になってもらいたくて、つい出てしまった言葉。


はるくんの瞼が、ゆっくりと開かれる。



「はるくん?」


「……そういうこと、言っちゃダメだよ」


「へ?」


「男の部屋で。しかも、ベッドの側で」



はるくんの言っている意味がいまいち理解できず、瞬きを繰り返していれば。



「さっきの八木との写真といい、結衣は隙がありすぎ」


「きゃっ……」



繋がったままの手を引っ張られ、バランスを崩した私は、はるくんのベッドの上に倒れ込む。


気づいた時には、はるくんに手首を掴まれ仰向けになっていて、はるくんの下に組み敷かれる体勢になっていた。



この状況は……何?



あまりに急な展開に、上手く思考が働かない。
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