幼なじみとナイショの恋。




「てなわけで、補習組4人はこのプリントを解くように」



補習授業は、早速次の日の放課後から始まった。



「蒔田と八木は、この4人のわからないところを教えてやってくれ。お前達もテスト勉強をしながらでいいからな。誰もわからない場合は、職員室にいる俺んとこ聞きに来てくれ」


「はい……」



6人の机をくっつけて、ちょっとした長テーブルのようにした私達の席に、先生はプリントを配っていく。


全てのプリントを配り終えると「じゃ!しっかりやれよー」と言って、先生は教室を出ていってしまった。



な、なんだ。


こういうスタイルだったのか。


黒板の前に立って教えるとかじゃなくてよかった。


これならわからないところを教えればいいだけだし、八木くんもいるからあまり私の出番はないかも……。



そう思って胸をなで下ろしていたのに……。



「はーい!はいはいっ!蒔田先生!八木先生!問題が一個もわかりません!」



と厚木くん。



「す、すみません……私も……」



と井田さん。



「つかこんなの習ったことなくない?」



と古賀さん。



あ、あれーーーー!?!?



私の向かい側に座る八木くんは、額に手をあて大きな溜息。
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