幼なじみとナイショの恋。
◇
入道雲が浮ぶ群青色の空に、さんさんと照りつける太陽。
梅雨が終わり、いよいよ夏本番といった中、ピンチは突然やってきた。
「三者面談の日程は、プリントにある通りだ。しっかり確認して、日時を間違えないようにしろよー」
そんな先生の声をどこか遠くに聞きながら、私は手にしたプリントを前に愕然としていた。
入学して初めての三者面談は、来週頭から一週間みっちり使って行われるらしい。
私は、事前に配られた希望日程のプリントに火曜日を希望して提出していた。
他の日は、どうしても仕事の休みが取れないとお母さんに言われてしまったからだ。
そして、たった今配られた日程表の火曜日の欄にバッチリ私の名前を確認したところだったのだが……。
まさか。
私の面談の時間帯のすぐ後に、【尾上】という名前を発見してしまうなんて……。
それを見た時は、一瞬にして背筋が凍りついた。
嘘でしょ……?
三者面談は5日間もあるのに、どうしてよりにもよって同じ日に……?
はるくんの面談は、私の二つ後の時間帯。
これじゃへたすれば、お母さんとはるくんのお母さんが鉢合わせてしまう。
だからといって、取っ組み合いの喧嘩が始まるってわけではないだろうけど、できれば些細な波風も立てたくない。