幼なじみとナイショの恋。

ただでさえ、最近のお母さんは、また少し、私とはるくんの関係に過敏になっている気がするから。


まぁこれは、お母さんへの罪悪感からくる、私の思い過ごしなのかもしれないけど……。


だけど、お母さんがまたいつはるくんのお母さんに食ってかかるか気が気じゃないんだ。



10年前、私たちの前でお母さん達がもめた日のことを思い出し、ゾッとする。


あんなお母さん、もう二度と見たくない。


はるくんや、はるくんのお母さんが傷つくのも絶対に嫌。


それに、もし次何かあったら、今度こそはるくんの側にいられなくなってしまうかもしれない……。



どうしよう。


どうしたらいいんだろう……。



助けを求めるように、はるくんの席に視線を移すと、まるで待ち構えていたかのように、こちらを見ていたはるくんと目が合った。


はるくんは机に頬杖をつき、口の動きだけで「あ、と、で」と伝えてくる。


それに対し、コクコクと大きく頷く私。


それを見たはるくんは、柔らかく目を細めると、教卓の方へと視線を変えてしまった。



面談の日程、はるくんも気づいてるよね?


“後で”って、はるくんには何か良い案でもあるのだろうか……。







帰りのホームルームが終わり、はるくんの言う“後で”がやってきた。



このまま教室で待機していていいのかな?
< 173 / 341 >

この作品をシェア

pagetop