幼なじみとナイショの恋。
“何で?”なんて聞き返すことも出来なかった。
またお母さんが、私の知らないお母さんになってしまう気がして。
『あの子とだけは、絶対に関わらないで!お願いだから、約束をして!』
私の両肩を掴み、必死な形相でそう迫ってくるお母さんに、私は頷くことしかできなかった。
『約束……する……』
その日から、私はいつもはるくんと遊んでいたあの公園に行くのをやめたんだ。
ほどなくして、小学校の入学式が行われた。
なんと私とはるくんは同じクラス。
それを知った時、一瞬でも“嬉しい”と思ってしまって、すぐにお母さんへの罪悪感でいっぱいになった。
“あの子とだけは、絶対に関わらないで!お願いだから、約束をして!”
お母さんの言葉を思い出したから。
私とはるくんが同じクラスだと知ったお母さんが、どこか不安気な様子で私を見つめてきた時はドキッとした。
“嬉しい”と思ってしまったのを見透かされてしまった気がして。
だから私は誤魔化すために。
『大丈夫。お母さんとの約束はちゃんと守るよ』
そう言って、作り笑いを浮かべた覚えがある。
『何で、公園に来ないんだよ』
小学校の生活にも慣れ始めたある日の帰り道、はるくんに捕まってしまった。