幼なじみとナイショの恋。

“何で?”なんて聞き返すことも出来なかった。


またお母さんが、私の知らないお母さんになってしまう気がして。



『あの子とだけは、絶対に関わらないで!お願いだから、約束をして!』



私の両肩を掴み、必死な形相でそう迫ってくるお母さんに、私は頷くことしかできなかった。



『約束……する……』



その日から、私はいつもはるくんと遊んでいたあの公園に行くのをやめたんだ。







ほどなくして、小学校の入学式が行われた。


なんと私とはるくんは同じクラス。


それを知った時、一瞬でも“嬉しい”と思ってしまって、すぐにお母さんへの罪悪感でいっぱいになった。



“あの子とだけは、絶対に関わらないで!お願いだから、約束をして!”



お母さんの言葉を思い出したから。



私とはるくんが同じクラスだと知ったお母さんが、どこか不安気な様子で私を見つめてきた時はドキッとした。


“嬉しい”と思ってしまったのを見透かされてしまった気がして。


だから私は誤魔化すために。



『大丈夫。お母さんとの約束はちゃんと守るよ』



そう言って、作り笑いを浮かべた覚えがある。









『何で、公園に来ないんだよ』



小学校の生活にも慣れ始めたある日の帰り道、はるくんに捕まってしまった。
< 18 / 341 >

この作品をシェア

pagetop