幼なじみとナイショの恋。

そう望んでしまったことを、あれから何度も後悔した。


子供ながらに、何て浅はかだったんだろうって。


私のわがままにはるくんを付き合わせてしまった上に、裏切りの共犯者にまでしてしまった。


私なんかと一緒にいたって、はるくんの得には何一つならないのに。


だから、もう二度とそんな願いを口にしないと決めていた。


それなのに……。



どう答えたらいいのかわからず、はるくんの視線から逃れるように俯こうとする私を、そうはさせまいとはるくんの両手が上向かせる。



「結衣。ちゃんと教えて」



私の大好きな、はるくんの澄んだ瞳。


強くて真っ直ぐな瞳。


その中に映るのは、私だけ。



「結衣の気持ち、俺にはちゃんと一つ残らず見せて」



この瞳に……



「もう一回聞くよ。結衣は俺と一緒にいたい?」



……嘘も隠し事もできるはずがない。




私は、恐る恐るコクンと頷く。


すると、はるくんの目は見開かれ、それからすぐに柔らかく細められた。



「あの時以来だね、結衣がそう言ってくれるの」



はるくんもあの日のことを思い出しているのかな。


懐かしむような表情で、私の頬を撫でてくれる。



「なら、大丈夫だよ」



はるくんの額が、私の額にコツンと触れる。


温かい……。



「結衣がそう思ってくれてるなら、何があっても、俺が結衣を離さないから」

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