幼なじみとナイショの恋。
それまで、はるくんとはなるべく距離をとっていたから、こんな風にはるくんを間近で見るのは、一緒に遊んでいたあの頃以来。
久しぶりにはるくんと向き合った私の心臓は、はるくんと出逢ったあの日と同じように高鳴っていた。
『俺、あれからも毎日公園に行ってたんだぞ』
『毎……日……?』
『うん。毎日』
てっきりはるくんも、あれから公園には行っていないものだと思っていたから、私はすごく驚いた。
それと同時に、すごく申し訳ない気持ちになる。
だって、私はもう……。
『もう、待ったりしないで』
『何で?』
『だって……私はもう公園には行けないから』
だって、私はお母さんと約束した。
もう、はるくんとは関わらないって。
本当は、そんなのすごくすごく嫌だけど。
また、はるくんとああして遊びたいけど。
そんな自分の気持ちをお母さんに伝える勇気なんて、私にはない。
あの頃の私にとって、お母さんは唯一の家族で、もしもお母さんに嫌われてしまったらと思うとすごく怖かった。
ただでさえ私は、生きているだけでお母さんの負担になってしまっているんだ。
これ以上お母さんを困らせたくはない。
『はるくんだってはるくんのお母さんに、もう私とは遊んじゃダメだって言われたでしょ?』