幼なじみとナイショの恋。
『言われた』
そうだよね。
だって、あんなにお母さん同士が仲悪いんだもん。
それにお母さんは、たくさんはるくんの悪口を言った。
はるくんも、はるくんのお母さんも、きっとすごく嫌な気持ちになったに違いない。
『言われたけど、そんなの知らない』
はるくんのお母さんに嫌われちゃっただろうなって落ち込んでいたら、はるくんが驚くほど真っ直ぐに私を見つめてきた。
『お母さん達は関係ないだろ?俺が結衣と遊びたいから遊ぶんだ』
『……っ』
『結衣は、もう俺と遊びたくない?』
はるくんは、どうしてそんなに自分の気持ちに正直でいられるんだろう?
私だって、本当は────。
『私も……。はるくんと……遊びたい』
ずっと胸の奥に隠してた、正直な言葉と一緒に涙が溢れてくる。
『だけど、そんなの無理だよ。私はまだ子供だし、お母さんの言う通りにしなくちゃだもん。はるくんと一緒にいたくても、いられないんだもん!』
わんわん泣き出す私に、はるくんはちょっと困り顔。
すると、何かを思いついたかのようにランドセルを下ろし、そのポケットへと手を突っ込んだ。
『はるくん……?』