幼なじみとナイショの恋。
でも、恐らくはるくんは、もう私の顔なんか見たくないだろうし。
きちんと自分の気持ちを伝えようと決意したものの、さすがに今日の今日では、まだ心の準備ができていない……。
「別に、今日告白しろってんじゃないんだけど。構えすぎじゃない?」
「え?じゃあ、何をしに……」
そう言うと古賀さんは、溜息を零しながら私のところまで戻ってきて、目を瞬かせる私の前で止まり、つんと顎を上げた。
「私、腹立ってんだよね。アイツに」
アイツって……。
「はるくん……?」
「そう」
なぜ古賀さんがはるくんに腹を立てているのか……私には全く検討もつかなくて。
相変わらず目を瞬かせていれば、古賀さんの表情がフッと和らいで、私の頭にフワリと手を乗せた。
「今日のあんた、見間違えるくらい可愛いよ」
「……っ!」
「だから、あんたに突き放されたくらいで拗ねてる根性なしに、目に物見せてやりな」
「古賀さん……」
「間違いなく、今日のあんたを見たらアイツは、あんたを手放そうとしてることを死ぬほど後悔するよ」
私の頭上で、優しく手を動かす古賀さん。
目を細め、優しい表情を向ける古賀さんは、女の私から見ても目を奪われるほど綺麗で。
私の弱さが原因で、きっとはるくんをたくさんたくさんガッカリさせてしまった。