幼なじみとナイショの恋。

そうなっていたら、私達は出逢ってから初めて違う学校になっていたんだ。


もう、こんな風に一緒に学校に行くなんてできなかったかもしれない……。




はるくんは、小学生の頃からバスケをやっていた。


元々運動神経が良かったこともあって、中学の部活動でも大活躍。


エースとして出場した関東大会で優勝を果たしたほどの実力だ。



そんなはるくんだから、てっきり強豪校に進学して本格的にバスケに取り組むんだって思ってた。


だけどはるくんは、あっさり強豪校からのお誘いを断ってしまったんだ。



「別に。深い理由はないけど。元々俺にとってバスケは遊びの延長だったから」


「遊びの延長？」



確かに、バスケをしている時のはるくんは、いつも楽しそうだ。


大好きなおもちゃで遊んでいる子供みたいにキラキラした目をしてる。



「さすがに強豪校に行ったら、遊びってわけにはいかないだろ。だけど、俺がしたいバスケは強いバスケじゃなくて、楽しいバスケだから。…まぁ、その考えを甘いっていうやつもいるけど」



はるくんは、見る人によってはやる気がないとか何考えてるかわからないって言われがちだ。


だけど、実はそんなことは全く無い。


はるくんにはいつもしっかりした自分の意思がある。


絶対にぶれることのない強い意思。