幼なじみとナイショの恋。
「はるくん……」
はるくんはこちらに気づいておらず、誰かと話しているようだ。
人混みがはけ、その相手が見えた時、私の心臓が大きく脈打った。
相手は確か、古賀さん達と学校に行った時に見たバスケ部のマネージャーの先輩。
この間はジャージ姿だったから雰囲気は違うけど、あのサラサラのポニーテールと綺麗な顔立ちは間違いない。
他にバスケ部の部員らしき人達はいないから、多分二人きり。
……はるくんが、女の人と二人きりになるなんて珍しいな。
元々、一人でいるのが好きなはるくんは、女の人なんて近寄られるだけで、嫌な顔をすることがあった。
中学の時から異常なまでにキャーキャー言われてきたから、正直うんざりしている部分があるんだと思う。
だから、今目にしている光景は、私にとって衝撃以外のなにものでもなかった。
部活仲間なんだから……仲良くて当たり前だよね……?
だけど、仲良いだけでこんな繁華街に二人で来たりする?
ううん。
何か用事があったのかもしれないし……。
そもそも、どちらにしたって私には関係のないことだ。
だけど、その次に目に飛び込んできた光景で、今度は心臓が止まってしまったかと思った。
マネージャーの先輩が、はるくんの腕の中に飛び込んだのだ。