幼なじみとナイショの恋。
「はぁ……」
さっきからもう何度目の溜息だろう?
いつも通り、家の自室で予備校の授業の復習をしていた私は、無意識に漏れる溜息を数分おきに吐き出していた。
困ったことに、ちっとも勉強に集中できない。
それもこれも、予備校の帰りに見た光景が頭に張り付いて離れないからだ。
私の見間違いでなければ、間違いなくマネージャーさんは、はるくんの胸に飛び込んでいった。
二人は、一体どういう関係なんだろう……?
この間学校に行った時、マネージャーさんははるくんのことを“はる”と呼んでいた。
部活内で名前で呼び合うのはよくあることだろうし、それほど気にすることではないとわかっていながら、どうしてもモヤモヤしてしまう。
自分からはるくんの胸に飛び込んでいったということは、あのマネージャーさんははるくんのことが好きなんだよね……?
はるくんはどうなのだろう?
もしかして、二人はもうすでに……?
グルグルと考えていても答えなんて出るはずがないのに、考えないようにしようとすればするほど負のサイクルにはまっていく。
勉強なんて、全く手につかない。
せっかく自分の想いだけは伝えようと決心したのに、はるくんとマネージャーさんの関係次第では、その決心も無駄になってしまう。