幼なじみとナイショの恋。
◇
記録的猛暑と言われた今年の夏も終わり、本格的な秋の訪れを感じる今日この頃───。
────ピンポーン!
「わぁ!待って待って!今出ます!」
インターホンのベルが鳴り、ヘアーブラシとドライヤーを慌てて洗面台の引き出しにしまうと、私は玄関へと猛ダッシュした。
玄関のドアの前で胸に手を当て大きく深呼吸をする。
それから、そっと内鍵を回して、恐る恐る玄関のドアを開ければ。
「おはよ」
「お、おはよう!はるくん」
ドアを開けた先には、秋らしいカジュアルな服を着こなし、今日も今日とてキラキラと輝きを放っているはるくんが立っていた。
うわわわ!
今日も一段とかっこいい!!
普段、私服姿のはるくんなんて滅多に見る機会がないから、あまりに新鮮でつい見とれてしまう。
はるくんは、ダメージのあしらわれたデニムパンツに緩めのパーカー姿で、決して気取った服装ではないのに、スタイルがいいからか、まるでモデルさんみたいに見える。
どうしよう〜!
今からこんなにドキドキしてたら、今日一日もつ気がしないよ!
そう。
実は私達、
今日はこれから、二人きりでデートなのです!
「ふ。結衣、また寝坊?」
「え!?な、何でわかるの!?」
「焦って準備したでしょ?前髪、はねてる」