幼なじみとナイショの恋。
その画面は、以前この日のために作ったメッセージグループの画面だった。
そういえば私、急いでて確認してなかった……。
そしてそこには、今朝届いたと思われるそれぞれのメッセージが表示されていた。
『遅れる』と言うはるくんのメッセージから始まり、
『アニメを観ていたら出る時刻を過ぎていました!すみません!ごめんなさい!すぐに家を出ます!』と井田さん。
最後に『待ち合わせとかだるい。先行く』と古賀さん。
ええぇ〜!?
何だかみんなすごく自由!!
「や、八木くんは?まさか八木くんも……?」
「いや、八木はちゃんと俺と同じくらいに着いてたんだけど、クラスの女子にさらわれてった……」
「さ、さらわ……!?」
そ、そっか、八木くんもはるくんと同じで人気者だもんね。
しかも、はるくんと違ってみんなに愛想がいい分、八木くんは女の子の誘いを断われなさそうだ。
「俺、このグループのリーダーとか、今から不安で胃が痛いんだけど……」
「あ、厚木くんなら大丈夫だよ!私もできるだけ協力するね!」
「うおー!ありがとう蒔田さん〜!蒔田さんがいてくれて本当に良かったよ〜!」
それから、私と厚木くんは、駅の入り口付近にあるベンチに座って、はるくん達遅刻組を待つことにした。