幼なじみとナイショの恋。

「え……う、うん。でも、何で知って……」


「前になんかの流れでそいつが言ってたし」



そいつって……。


古賀さんの指が今度は厚木くんへ。



そういえば、グループでの活動の時、自然とそんな話が出たことがあったような……?


別にはるくんとの関係を隠しているわけではないし、特に否定をすることはしなかったけど。



「幼馴染なんだから家近いんでしょ?迎えに行くとかしないわけ?そしたら、こんなだるいことになんなくて済んだよね?」



古賀さんのその言葉に、つい顔が強ばってしまう。



そう……だよね……。


普通の幼馴染同士ならそうなのかも。


幼馴染同士が家を行き来するとか……ドラマや漫画でもよくそういうシーンが使われているし。


だけど、私とはるくんはそんなことはできない。


確かに幼馴染だけど。


同じマンションに住んでるけど。


本当にただそれだけで、近いようで、遠い存在だから……。



「ま、まぁまぁ!終わったことはもういいじゃん!俺らもさっさと出発しようぜ!古賀ちゃんあんまり怒ると、綺麗な顔が台無しだよ!」


「アンタうっさい。何急にリーダーぶってんの?」


「リーダーだよぉぉっ!!!」



厚木くんが助け舟を出してくれたおかげで、話が逸れてホッとする。
< 68 / 341 >

この作品をシェア

pagetop