幼なじみとナイショの恋。
「え……う、うん。でも、何で知って……」
「前になんかの流れでそいつが言ってたし」
そいつって……。
古賀さんの指が今度は厚木くんへ。
そういえば、グループでの活動の時、自然とそんな話が出たことがあったような……?
別にはるくんとの関係を隠しているわけではないし、特に否定をすることはしなかったけど。
「幼馴染なんだから家近いんでしょ?迎えに行くとかしないわけ?そしたら、こんなだるいことになんなくて済んだよね?」
古賀さんのその言葉に、つい顔が強ばってしまう。
そう……だよね……。
普通の幼馴染同士ならそうなのかも。
幼馴染同士が家を行き来するとか……ドラマや漫画でもよくそういうシーンが使われているし。
だけど、私とはるくんはそんなことはできない。
確かに幼馴染だけど。
同じマンションに住んでるけど。
本当にただそれだけで、近いようで、遠い存在だから……。
「ま、まぁまぁ!終わったことはもういいじゃん!俺らもさっさと出発しようぜ!古賀ちゃんあんまり怒ると、綺麗な顔が台無しだよ!」
「アンタうっさい。何急にリーダーぶってんの?」
「リーダーだよぉぉっ!!!」
厚木くんが助け舟を出してくれたおかげで、話が逸れてホッとする。