幼なじみとナイショの恋。
何となくはるくんの方を見たら、バチッと目が合ってしまって、私は慌ててつま先へと視線を落とした。
何だか、今ははるくんの顔を見ると悲しくなってしまいそうで……。
「おーい!お前ら何やってんだ!揃ったんだからさっさと出発しろー!」
先生に怒られ、慌てて出発する私達。
古賀さんは私に一瞥をくれると、フンッと鼻を鳴らし、背を向け先を行ってしまった。
こうして私達の、前途多難な学年合同レクレーションがスタートしたのです。
*
「おーい。古賀さーん!一人で先行ったら危ないってばー!」
緑に囲まれた急勾配の坂道が続く山道。
その中をハイペースで進んでいく古賀さんは、厚木くんの呼びかけに全く答える様子がない。
「別に先に行くのはいいけど、古賀さん道分かってるのかな?」
「この前部活の先輩が言ってたんだけどさ、去年コレやった時危うく遭難者出そうになったらしいよ。しかも、崖ギリギリの険しい道とかあって、結構辛かったって。だから、あんまり離れないで欲しいんだけどなぁ」
八木くんと厚木くんが、古賀さんの背中を見ながら心配そうにそう話をしているその後ろには、私と井田さん、そしてはるくんが遅れてついて行く。
まだスタートしてそれほど経っていないのに、私と井田さんはすでにヘトヘトで、他のみんなからはぐれないように歩みを進めるのがやっとだった。